社内ルールと評価システム(現時点での暫定的なもの)

経営者で一番のストレスは、社員との人間関係にあったと思う。私の中で、「ここまでのラインを求めたい」という仕事のクオリティがあり、それを下回る結果だと指摘しなければならなくなる。それがストレスで、指摘するにあたり、いろんな言い回しで、相手にきつく受け取られないように工夫する。ただ、指摘が弱いと相手の行動変容につながらない。指摘するという事は、相手の行動の変容を促すという事だから、しっかりと指摘しなくてはいけない。どうも上手にできなかった。1on1などの概念や社員モチベーションなどの本があふれているが、どうもそこに関しての苦手意識があった。

 

最近「リーダーの仮面」という本を読んだ。そこでは、社員を動機づけてはいけない。という論理がベースになって理屈を積み上げており、感銘を受けた。いわく社員一人一人と平等に距離を取り、平等に評価する。一人一人の話を聞きすぎないようにする。過程にあまり口を出さず、結果のみで評価する。という内容だ。ルールを設定し、改変し続け、それに抵触すると指摘する。

 

これらの理屈を自社にあてはめて考えてみた。私は、中小企業の社長という立場であり、階層は私含めて3つしかない。私(社長)→米事業部署責任者(営業・精米・経理)・和スイーツ店長・キッチンカー店長→社員やアルバイト

この3つとなる。実験的にキッチンカー店長に利益目標を持たせ、自由にやらせてみた。具体的には、キッチンカーの利益によって年棒がアップするという仕組みを導入した、毎月○○万円の利益を出せば年棒が月〇万円アップするというものである。「利益を出すために自分で色々考えてトライしてみて、こちらは口出ししないから」というスタンスである。

 

結果はあまりよくなかった。原因は2つあると考えている。

①「利益を出せ」では、自由度が高すぎて、本人もどうしていいかわからなかった。

②リーダーの仮面自体、中間管理職向けに書かれた本であり、社長のふるまいの事を書いてるわけではない事

 

特に②に関しては、私ではなく、その下の層が運用するべき仕組みだったと考えている。利益という複雑な要因がからむ目標ではなく、営業成約件数など、シンプルな目標や評価制度でマネジメントを行う層であれば、機能しただろう。

 

以上のような事からシステムの修正をせまられた。

①こちらが口出ししないのではなく、こちらも積極的に指示をだしていくスタイルに変更

②本人が利益に貢献すると思った施策はもちろん検討する。

③利益目標によって評価されるスタイルは残す

④ルールを設定し、改変していくスタイルも残す

 

つまり、③と④のスタイルは導入し、「過程に口出ししない」という仕組みは導入しないという判断である。それは、同時に「利益の最終責任は経営者である私が負うが、その利益によってあなたも評価されて給与が決定される」という事になる。言葉に表現すると難しいが要は、一蓮托生感を醸成できるかどうかだと思っている。

 

成果が上がれば、給与が上がり、下がれば給与が下がる。ただし、人手不足のご時世なので、「下がったとしても、平均より結構良い水準」の給与を提示する必要があると思っている。