和スイーツ店の店長が5月1日から変わる予定だ。今打ちながら思ったが、いきなりゴールデンウィークがやってくる。オープン時間を調整するなどの対応が必要だろう。通常当店は、午前10時オープンだが、仕込み時間を2時間長くして、12時オープンに。オープン後は最低限の製造でおさえ、現場をまわす事に集中する。正直そこまでゆるくする必要あるのかは、わからない。しかし、負荷をかけすぎて新しい店長が辞める方が困る。以前ならそれでもある程度の負荷を目標にしていたが、あまり現状は期待できない。ここまで書いた内容は、新店長になった時の運営の「戦術」というかミクロな話。今重要度が高いのは、店長引継ぎシステムの方だ。
今の店長がいる間に後任の店長のクオリティを上げる必要がある。そのための仕組みを「店長引継ぎシステム」と呼んでいる。システムの目的は以下のとおりとなる。
①和スイーツ製造のすべての仕込み・製造を行う事ができる。
②レジまわりのすべての作業ができる。
③店長としての判断業務や運営業務ができる。
④新商品が開発できる。
この①~④をこなせるように後任の店長を仕上げるのが目的・目標のシステムとなる。そのために以下のシステムで考えている。
①一日の報告事項
②スキル表と店長スキル表
③小テスト
④商品開発目標
これらをもう少し具体的に説明していきたい。
まずは、①一日の報告事項は主に、その日取り組んだスキルとその感想を私にLINEしてもらう。
例・・本日はわらび餅のカットと、あんみつの盛り付け・米粉シフォンサンドを焼いてみました。あんみつの盛り付けについてもう少しスピードアップしたいと思います。
報告事項の目的は、「店長候補の頭の中で強制的に業務を整理し、言語化する時間を作ってもらう事」になる。
②のスキル表と店長スキル表
スキル表は元々存在しており、和スイーツの製造についての技術を習得しているかの目安となる。
初級編・・わらび餅のカットができるか。あんみつの盛り付けができるか。寒天の仕込みができるかなど。
中級編・・大福の中身の製造を行う事ができる。米粉シフォンサンドの製造を行える。
上級編・・大福を包む事ができる。白あんで花を作る事ができる。
などである。この表を使い、店長候補は自身のスキルがどの位置にあるのか把握でき、期間を決めたうえでの目標値を設定する事が可能になる。
店長スキル表は、今回はじめて店長引継ぎにあたって作成した。
・商品開発ができる。
・原価計算ができる。
・商品の追加製造などの判断業務が行える。
・シフト作成が行える。
・アルバイトへの指示や指摘が行える。
このような内容になっている。どちらの表も現在の店長ができたかどうかを判断し、チェックしていく。
今回後任店長は試用期間を3週間と設定しているため、それまでにこちらの基準をクリアしてくれるかどうかが、本採用の判断基準となる。
この2種のスキル表の写真をLINEで私に報告するのも、報告事項に含まれる。
どちらも、「必要なスキルと自身の位置を把握させ、動機づけする」事が目的となる。
③小テスト
スイーツ製造の現場は特殊で、素材の特徴(砂糖やチーズ、白玉粉、わらび粉など)
が頭に入っていないと、製造が知識として頭に入っている必要がある。そのため、菓子製造の本やパティシエの教科書などを用い、小テストを作成。現場で必要になる知識をテストにし、事前に勉強してもらう。後々商品開発の知識とつなげていく事になる。
④商品開発目標
実際に新商品を週一品ずつ開発してもらう。そしてその原価計算も同時に行ってもらう。そうする事で店長スキルに出てくる、「商品開発ができる」「原価計算ができる」のスキルが自然に身につく。
以上が店長引継ぎスキルの概要だが、今懸念している事が過程の途中で店長候補の方がドロップアウトする事だ。それに対しての対策は、求人自体は出し続けるくらいしか対策は無い。